Public Lecture - 若紫巻のかいま見」をめぐって―絵から読み解く『源氏物語』

This lecture is the keynote address of the 2014 Japanese Studies Graduate Workshop, convened by the ANU Japan Institute. 

This lecture is open to the public but will be conducted in Japanese only.

 

Abstract

『源氏物語』には「かいま見」の場面が数多く描かれています。それらは、とてもドラマティックな場面として機能しました。なぜかと言うと、千年前の 貴族の姫君たちは家の中からほとんど出る機会がなく、結婚する場合でも、その当日にならないと、男性は自分の妻の顔を見ることもできなかったからです。で すから「かいま見」は、物語において男性が姫君を見ることを可能にするとても重要な方法だったのです。
 さて、その中でも、「若紫巻のかいま見」は、日本では高校の教科書にも載り、最も有名な場面として知られています。今回は、この場面をいろいろな絵画を 紹介しながら見ていきます。そして、ほかの巻に描かれる「かいま見」と、どこがどのように異なるのか、ということをみなさまと一緒に確認したいと思ってい ます。「若紫巻のかいま見」とその他の巻の場合とは、決定的な相違点があるのですが、それがどのような意味を持つのかということを考えたいのです。第二次 世界大戦下の国定教科書に掲載された絵もご覧に入れますが、これらはすべて『源氏物語』の本質にかかわる問題を秘めているのです。
「若紫巻のかいま見」の絵だけでなく、その他の巻も含めて26枚の絵画をご紹介しますので、まずはこれらの絵画を楽しんでいただければ、それだけでも十分に有意義な機会になることでしょう。

久冨木原 玲 

日本国、鹿児島県生まれ。東京大学大学院国語国文学専門課程・博士課程単位取得。
鹿児島女子短期大学助教授、共立女子短期大学教授を経て、現在、愛知県立大学教授。
2013年度より日本文化学部学部長を務める。

著書に『源氏物語 歌と呪性』 若草書房 1997年  、『源氏物語の変貌ーとはずがた り・たけくらべ・源氏新作能の世界』おうふう、2008年。
共編著に、『源氏物語の歌と人物』翰林書房、2009年、『武家の文物と源氏物語絵ー尾 張徳川家伝来品を起点として』翰林書房、2012年など。

Updated:  27 November 2018/Responsible Officer:  JI Management Group/Page Contact:  Japan Institute